■アワイチを計画する■

ロードバイクにも慣れてきたような気がするので、自分がどのくらいの距離を走れるのかを知りたくなり、3月下旬、岩屋から時計回りで淡路島一周をすることにしました。今回は家族旅行も兼ねて、車で岩屋まで乗せてもらい、他の家族が淡路島観光をしている間、私は一人自転車で走るというプランです。以前クロスバイクでは一日100kmくらいは走れたので、それを目安に、2日間かけて完走を目指すことになりました。

それまでにロードバイクで走った最長距離は50kmだったので、アワイチの前に100kmくらい走れるかどうかやってみておいた方がいいかな?と考えていたのですが、3月は季節の変わり目だからか、花粉症の所為か、何となくしんどい日が多く、全く準備もしないままに当日を迎えてしまいました。

■1日目(3月23日)■

自転車を車に積み、スタート地点に決めた岩屋港までは車に乗せて行ってもらいました。車の中で朝ごはんを済ませ、8時過ぎに、岩屋港につきました。そこで自転車を組み立て、観光に行く家族と別れ、8時30分ごろに出発しました。天気は曇りで、晴れ間の出ることもありましたが、まだ寒さがありました。

走り始めると徐々に青空も見え始め、気持ちよく進んでいく事ができました。道路は路肩がガタガタで走りにくい部分があったり、幅の狭い道路で車のすぐ横を走らなければならなかったりもしましたが、走っている車の台数も非常に多いわけではないので、慎重に走ればそれほど怖い思いはありませんでした。車の方も、余裕をもって避けてくださっている感じがしました。岩屋から約30kmほどで、洲本市に入ります。ここまでは、順調に来ることができました。

道を間違える!

洲本から由良までは海岸沿いの道を走って行かねばならないのですが、海岸沿いを走る76号線と、内陸を福良まで結ぶ28号線が分岐するところで、間違って内陸方面の道に進んでしまったのです。

言い訳をすると、由良へ行く方の道は何だか細くて、トラックや車もみんな道幅の広い28号線の方へ走っていくため、私は安易にも自分もそれらの車と同じ道だろう、と勘違いしてしまいました。そして、そのまま28号線を走り続け、「あれ?何かおかしいかな??」と思ったときには、すでに10kmほども走ってしまっていました。間違いに気付いて、車で母と祖母を連れて観光している父親に電話をすると、私が道を間違えたことに呆れていました。 ひとまず、私は洲本まで引き返して、そこで家族と落ち合い、お昼を一緒に食べることになりました。 まぁ呆れられても当然だよなぁ、と思いましたが、ずっと落ち込んでもいられないので、急いで洲本を目指して走り始めました。

約20kmもロスする

洲本の街に戻ると、結構クタクタで、もう12時を回っていました。身体的にというより、精神的にショックが大きかったです。父親にはいろいろ言われましたが、母や祖母は慰めてくれました。自転車を降りると汗が冷えて身体が寒かったです。道を誤るという不測の事態に、食事をする場所を決めかねたので、コンビニでカップラーメンなどを買ってきてもらって、車の中で皆で食べました。私が道を間違えてしまったせいで、せっかく旅行に来たのにコンビニのごはんになってしまい、母や祖母には申し訳ないなぁ、と感じました。暖かい食事をとれて、少し元気になりましたが、気持ちは凹んでいて、一人でまた走り始めなきゃいけないことが辛く感じられました。

由良海岸で空元気を出す

南あわじの山岳コース

それでも、ずっとぐずぐずしているわけにはいかないので、ホテルに向かう家族と別れ、何とか走り始めました。事前に入手したアワイチの地図には、南あわじに「登坂道路」として4か所がオレンジ色で示されており、これからどんな道を走らなきゃいけないんだろう…という不安もありました。

とはいっても、一日でアワイチを完走する人も多いそうだし、そんなに厳しい山道ではないんじゃないかなぁ?という考えもありました。ですが、最初の登坂道路で、それは大変甘い考えだったと気付かされました…

南あわじの登坂道路は、山岳コースでした。私には結構大変な山道を延々と登らなくてはなりませんでした。午前中に道を間違えたせいで、サイクリングをされている方にはまったく出会うこともなく、一人寂しくしこしこと山道を登っていきました。南あわじに入ると、車の数もかなり減ったので走りやすくはありましたが、登りは大変でした。道の途中には「ナゾのパラダイス」という不思議な看板があり、少し不気味?な感じがしました。帰ってからインターネットで調べて見ると、「ナゾのパラダイス」とは秘宝館であるようでした。坂の途中では、止まって写真を撮っている余裕もありませんでした。

山の上から眺める景色は壮観でした。登りがあれば下りもあるわけですが、私は下り坂はまだ不得手なので、慎重にゆっくり降りていきました。家の近所で下ハンドルを握って下る練習が役に立ってよかったです。

山道が終わると、「南淡路水仙ライン」という海岸線沿いの道に出ます。

最初は、海に光が射して煌めいている美しい様子を眺めたり、写真に撮ったりと、気持ちにも余裕がありましたが、延々と続く海岸線の道に、疲れが出始めました。

お尻の痛みが強くなってきただけでなく、全身も痛くなり始め、何度も、もうここで止めて父親に迎えに来てもらおうかなぁ…?と考えました。一人ではなくて、家族も来てくれていたので、甘える気持ちが出てしまったのだと思います。でも、せっかく私がアワイチをするための家族旅行を計画してもらったのに、そんな甘えたことしちゃダメだよな…と思い直して、辛くて泣きそうでしたが何とか漕ぎ続けました。半泣き状態で走っていると、前方にサイクリングをしている方が見えました。それで、他にも頑張って走っている人がいるんだから、と思って少し気力が出ました。また、バイクでツーリングをされている方が、追い越し際に親指を立てて挨拶を送ってくれるのも、応援してくれているように思えて、うれしかったです。

それで、もうどうしても身体が辛かったので、途中で何度も何度も小休憩をとりました。しんどかったですが、とりあえずこの海岸線は走り切りたい、と思って頑張りました。時間がかかりましたが、なんとか土生港まで行くことができ、そこで持ってきたバナナを食べたり、ふくらはぎをさすったりしていると、また走り出せる元気が出てきました。

しかし、海岸線沿いの道が終わると、2つ目の登坂道路にが始まるのです。こんなにしんどいなんて思いもしなかったなぁ…と心中でボヤキつつ、ゼイゼイ息を切らしながら登っていきました。今日中に福良には到着しておきたいという気持ちで、頑張りました。2つ目の登坂道路を終えて下っていった先には、たまねぎ畑が広がっていました。

長閑な風景に浸っていられる暇もなく、またすぐに3つ目の登坂道路が始まります。この福良までの道が一番大変でした。平均斜度9%の道で、呼吸はふいごのように激しくなりましたが、坂道なので途中で足をついたら再起不可能かもしれないし、足をつかずに登り切りたい気持ちも強かったので、あえぐようになりながらも頑張って登り切りました。

登りは本当にしんどかったです。でも、足をつかずに登れたのはすごく嬉しかったです。福良の港が見えてくると、やっと、人心地がつきました。

この頃にはもう全身がバキバキで、夕方になって風が強まり冷えてきたこともあって、最後の登坂道路を残して、1日目は福良で終了することにしました。父親が車で福良まで迎えに来てくれて、五色という街にあるホテルまで乗せて行ってもらいました。 ちょうど日暮れに「淡路サンセットライン」を通ったので、車からは夕日がきれいに見えました。


もし道を間違えなければ、精神的なダメージも受けなかっただろうし、もう少し距離を稼げていただろうなぁ、と思います。 ホテルに着くとすぐ服を洗い、お風呂に入りました。晩御飯は豪華で、初めて淡路ビーフを食べることができました。とても美味しかったです。早めに布団に入りましたが、気分が昂揚している所為かなかなか寝付けず、夜中にも何度も目が覚めて、ほとんど眠れませんでした。

一日目の記録

  • 走行距離 107.01km
  • 走行時間 6:14:34
  • 平均速度 17.1km/h
  • 高度上昇 663m

■2日目(3月24日)■

2日目の天気は快晴でした。ホテルから昨日の福良の終了地点まで送ってもらい、朝の9時前にスタートしました。身体はまだバキバキでしたが、五色までの道は昨日車で一度経験済みで、最後の登坂道路は3つ目のものに比べるとそれほど大変でもないことが分かっていたため、あまり気負わずに走り出せました。

最後の登坂道路を終えると、少し迷いやすい道になります。そういった間違えやすいポイントでは父親が車で先に待っていてくれて、正しい道を教えてもらいました。ナビをしてもらったおかげで、2日目は道を間違えることなく走っていくことが出来ました。そのややこしい25号線が終わると、あとは海岸線沿いの31号線をまっすぐ走っていくことになります。

上の写真のように幅が広くて安全な道は部分的にしかないため、ずっと車道の端を慎重に走って行かなくてはなりませんでした。31号線からは交通量も増え始めます。

海風に吹かれながら走るので、疲れやすいような感じもしましたが、景色はきれいでした。2日目はゴール地点の岩屋港を目指して、ただただ足を回し続けました。道の途中では、家族が車から声援を送ってくれました。

疲れが出始める前は、鵜を見つけて写真を撮る余裕もありました。けれど、40km程走ってきたところから、徐々に疲労の蓄積を感じ始めました。この日は脚よりも腕が痛くなって、ブラケットを握り続けることさえもが、とても辛かったです。岩屋までの残りの30kmが本当に遠く感じました。残り10kmほどになると、二の腕が痛くてたまらなくなり、早く走り終えたい一心で、力を振り絞り、スピードを上げて漕ぎました。そして13時ごろ、やっとのことで岩屋港まで戻ってくることができました。岩屋では、先に着いた家族が待っていて、私を出迎えてくれました。たくさん家族に甘えさせてもらったアワイチでしたが、完走することができてうれしかったです。クロスバイクで100km走った時よりも、ロードバイクの方が身体が辛くて、へとへとになりました。これから少しずつ身体もロードバイクに慣れてくるといいなぁ、と思っています。

2日目の記録

  • 走行距離 70.49km
  • 走行時間 3:35:47
  • 平均時速 19.6km/h
  • 上昇高度 444m

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