気持ちが落ち込んでしまうことは、誰にでもあることだと思います。けれど、私は落ち込んでしまうと、なかなかその気持ちから抜け出せないことが多いです。孤独感が強くなって、もうどうしようもないところまで気持ちが落ちてしまいます。こうなると、今までは完璧にマイナスの感情に取り込まれてしまっていました。けれども、最近は、この落ち込みも一時的なことだから、きっとまた前向きになれるから!と思える瞬間もできるようになりました。

そう思えるように変われたきっかけは、自分の一日の気分を記録し始めたことです。私は、昨年の11月からカレンダーに「よい・ふつう・少し悪い・かなり悪い・最悪」の5段階で色分けしたシールを貼るようにしました。すると、ひと月の中でも自分の気分や体調に波があることがわかってきました。それで、悪い時期があっても次には必ず良い時期がくることを理解できたのです。すると、悪い時期は永遠には続かないんだ、ということに得心がいきました。私は頑固者で、人から言われても、自分が納得できなければ受け入れられないタイプなので、自身で気分の波がある事実を記録できたことがよかったのだと思います。今でも落ち込んで、つらくて、もうどうしようもないって思ってしまうときもあります。そんな自分はすごく嫌でした。でも、落ち込んで底つきするからこそ、次に上向いていけることがやっとわかってきたので、自分の波をうまく乗りこなせるように、いろいろ試みていきたいです。

最後に、落ち込んで、どうしようもなくなっちゃうのは、私ひとりじゃないんだって思わせてくれた、リディア・ディヴィスの小説からの一節をご紹介します。

「今の私にはこう考えられることだ―今に私も、自分の気分なんか世界の中心ではないと思える日がくるのだと。これは大きな慰めだ。もしも生きることに絶望しても、この絶望は大して重要でないかもしれないと心のどこかで思えれば、絶望しなくなるか、あいかわらず絶望はしていても、この絶望だって中心から端に移動して、その他大勢のものごとの一つになるかもしれないのだと、ほのかな希望がわいてくるからだ。」

リディア・ディヴィス 岸本佐知子訳「自分の気分」

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