■「外柔内剛」■
私は郊外住宅街育ちで,それに加えてずっとインドアな人間だったためか,あまり自然とふれあわずに大人になってしまいました。
草や花など植物に対するイメージも,なんとなく柔和で,やさしいもののような印象を抱いていました。
例えばポケモンでも,草タイプは穏やかそうな感じがするし,草タイプのポケモンが出す技で「ツルノムチ」というものがあるのですが,そういった植物での攻撃をされても,実際にはあんまり痛くないんじゃないの??って思っていました。
けれど,自転車に乗るようになって,夏に道路脇に繁茂する雑草の攻撃力の高さを味わったことで,植物に対するイメージが変わりました。
伸びて飛び出した草の横を,まぁこれくらいなら大丈夫だろうと油断して自転車で通過すると,草と当たった時に,人間に叩かれたのか?と錯覚するくらいの衝撃がきます。
最初は驚いて,この痛みが草によるものだとは信じられませんでした。本当は,何らかの妖怪が生い茂る雑草の中に隠れていて,そいつが叩いてくるんじゃないかと思ったくらいです。
これは「ツルノムチ」なんかされたら,相当痛いな…と草タイプのポケモンについても,思い改めました。
また,河川敷の雑草が生い茂るスピードなんかも見ていると,草の生命力ってすさまじいんだなぁ…と思い知らされます。
きっと人間が滅びたら,すぐにも植物がすべてを覆いつくしていくのでしょうね。
この前も,石垣の隙間からカキの木が生えているのを発見しました。
植物って穏やかそうに見えて,すごいパワーを持っているのだなぁと思います。
まさに「外柔内剛」ですね。
実は私にも「外柔内剛」的なところがあります。
私は一見,穏やかそうに見られますが,実は気難し屋で頑固なのです。どうしても譲れなかったり,一度こうと決めたことを,なかなか改められません。
前は,そういう自分が嫌いで,気難しいのも頑固なのもダメだ,直さないとって,思っていました。
でも,直すんじゃなくて,よい方向にもっていけたら,それも自分のパワーになるんじゃないかなって,考えるようになりました。
自分の内側にあるそういった強い性質が,僻みとか邪推とか,そういう感情に矯められて悪い方向に伸びていってしまうことが多いので,それをもっと良い感情を伴って発揮できるようになるといいんじゃないかな?と思っています。
植物が自由にのびのびと葉や枝をのばしていくイメージを,自分にも抱けるようになるとといいのかもしれません。